外資に関する各種優遇措置

外国投資法に定める要件に基づき設立された企業は、生産または役務の提供開始から3年間の法人所得税免除が認められる。さらにミャンマー投資委員会(MIC)が認めれば、以下の優遇措置が与えられる。ただし、これらの優遇措置がいかなる条件で認められるかの規定はなく、申請によりMICが個別に決定する。包括的な優遇措置がすべて享受できると思われるものの、個別に検討されることが多い。

a.開業から3年間の所得税免除経過後、MICが適当と認定したものについての免税または軽減期間の延長

b.業務上の利益が1年以内に再投資される場合、当該利益に対する所得税の減免措置

c.業務上使用される設備、機械、器具、建物、その他有形固定資産に対する加速減価償却

d.ミャンマーで生産、輸出される場合、輸出から生じる利益に対する減税(限度50%)

e.外国人雇用者の所得税を肩代わりして支払うこと、およびその支払いを法人税課税所得から控除すること

f.外国人雇用者の個人所得税の支払税率にミャンマー居住者の税率を適用すること

g.ミャンマーにおいて発生した業務にかかわる研究開発費用の当該年度課税所得からの控除

h.欠損(損失)の3年間(事業年度)の繰り越し

i.工場等の立ち上げにおける機械設備、部品、スペアパーツおよび原材料の輸入関税、その他国内諸税の減免措置

j.工場等の立ち上げ完了後、営業生産開始から3年間の原材料の輸入関税、その他諸税の減免措置

k.輸出向け財貨についての商業税の免除

ミャンマーの基本外資政策

外資導入政策
海外からの直接投資に対するミャンマーの政策は、経済全般の再構築および開発政策の一環として位置づけられています。外資政策の要点は、次のとおりです。  
①資源配分のシステムとして市場経済制度を採用  
②民間投資の奨励と企業家の育成  
③外国貿易、外国投資に対する経済の開放

ミャンマー連邦外国投資法の制定目的
①輸出の促進、拡大
②大規模投資を要する天然資源開発
③先端技術(ハイテクノロジー)の導入及び取得
④多額の資本を要する生産、サービス活動の保護支援
⑤雇用機会の拡大
⑥エネルギー消費節約に寄与する事業の開発
⑦地方開発
外国投資法を管轄する政府機関は、ミャンマー投資委員会(Myanmar Investment Commission: MIC)で、投資案件の第一次認可機関となっています。

投資形態
外国投資の形態は100%外資、あるいは合弁企業(ミャンマー国民、民間企業、協同組合または国有企業をパートナーとする合弁企業)の、いずれの形態も取ることができます。ただし、合弁企業の場合、外資は全株式の最低35%を保有しなければなりません。

最低資本金
外資法の適用を受ける場合、外資による最低資本金額は次のとおりです。
①造業50万米ドル
②サービス業30万米ドル

外資参入可能分野
下記12分野の事業は国営企業法に基づき国営企業が事業展開しているため、民間企業の参入には制限がある。
a)チーク材の伐採とその販売・輸出
b)家庭消費用薪材を除くすべての植林および森林管理
c)石油・天然ガスの採掘・販売
d)真珠・ひすいその他宝石の採掘・輸出
e)魚・海老の養殖
f)郵便・通信事業
g)航空・鉄道事業
h)銀行・保険事業
i)ラジオ・テレビ放送事業
j)金属の採掘・精錬と輸出
k)発電事業
l)治安・国防上必要な産品の生産

輸出入
外国貿易に関わる事業を行う企業は、商業省の輸出入登記局に、輸出者または輸入者としての登記を申請しなければなりません。

外国企業の土地所有
外国人、外国法人は土地所有ができず、不動産移転規制法によるリース(10〜30年間、ただし50年まで延長可能。5,000エーカーを限度)契約により土地使用権を得る。